鵜野森は無念な結果となりました

価格が折り合わず買取保全は不可能に

トラスト募金は返還させて頂きます

昨年５月の「買取も選択肢に」との態度表明以降、相模原市と開発業者との間で買取交渉が続けられて来ました。当初の不動産鑑定額では折り合わなかったため、進入道路の建設など現地の変化を踏まえて、再度の不動産鑑定が行われました。しかし市側の鑑定評価額１４億５千万円に対して、業者が提示した実費が約２０億円で、５億５千万円の開きがある上、さらに逸失利益の補填も求められ、価格面での折り合いを付けることができず、買取は不可能となりました。

これを受けて２月２３日市議会環境経済委員会は、地元６自治会の陳情を苦渋の不採択とし、鵜野森河畔緑地は永遠に戻らぬものとなりました。

市内外の多くの皆様のご支援に支えられて１１年間頑張って来ましたが、極めて無念な結果となりました。鵜野森河畔緑地の公的な買取を目的として本会でお預かりしたトラスト募金は、速やかに募金者の皆様に返還させて頂きます。

　振り返ってみれば、開発が再燃した平成１５年暮れの時点で、市が買取交渉に乗り出していれば、鑑定評価額での取得も可能だっただけに、無念でなりません。

もともと昭和６３年の「みどりのまちづくり相模原プラン」では、境川斜面緑地も緑地保全地区として買取の候補地でした。しかしバブルの中でこの計画が放棄され、その後の「みどりの基本計画」でも保全は明記されませんでした。予算を掛けたくない“端っこの川・境川”の宿命が、鵜野森の保全を手遅れにしました。

　それでもこれまでの活動の結果、公所・道正山の河畔林(1.6ha)、古淵鵜野森公園(1.5ha)、境川森野緑地(0.2ha)、古淵市民緑地(0.5ha)、橋本河畔林(0.1ha)と、流域５ヶ所に計４haの河畔林・斜面林が保全されてきました。これらの緑地が良好な状態に保たれるよう、今後も緑地の手入れを続けて行きます。そして境川と境川斜面緑地が「みどりの基本計画」に位置付けられるよう、今後も努力して行く覚悟です。引き続き皆様のご支援・お力添えを心よりお願い申し上げます。

                                                    ２００６年２月