平成１６年６月２９日

環境大臣　小池百合子　殿

境川の斜面緑地を守る会

　　　代表　香村紘一

絶滅危惧 I 類コウライイチイゴケの保護について（要望）

　私どもは東京都と神奈川県の都県境を流れる２級河川境川で、河川およびそれを取り巻く自然環境の保全・復元のために活動している市民団体です。平成７年に河岸段丘の斜面林の保全を目的に会を発足させ、すでに今年で９年目になりました。動植物の調査活動と緑地保全のための募金活動、緑地の維持管理を続けながら、河川改修や川沿いの区画整理事業などに対しても、可能な限り良好な自然環境を残すよう粘り強く提案・交渉を続けています。

　さて去る６月１０日、神奈川県相模原市鵜野森１丁目の境川沿い緑地において、貴省から発行されている「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物」植物IIにおいて絶滅危惧 I 類に指定されているコウライイチイゴケの生育が確認されました。北斜面崖下の林縁から草地にかけてかなりの範囲に分布しており、本会で採取したサンプルを環境省希少動植物種保存推進員の平岡照代氏に同定して頂いたものです。

　この場所では、昨年１２月以来宅地開発計画が浮上しており、本会は相模原市と町田市の市長に対し緑地保全の要望書を提出し、インターネット署名を展開する一方、開発予定地の公的保全の一助とするため一口1万円のトラスト募金を開始し、１０００万円を目標に募金活動を進めている最中のことです。

本会としましては相模原市に対して保全の働きかけを一層強める所存ですが、開発の危機に晒されているコウライイチイゴケの保護のために、国におかれましても格段のご配慮とご指導を頂きたくよろしくお願い申し上げます。

　

財団法人平岡環境科学研究所発行のコウライイチイゴケの同定証明書、コウライイチイゴケの写真、関連新聞記事、および本会の資料などを添付いたします。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

連絡先　事務局　太田浄子