平成１５年１２月２１日

相模原市長　小川勇夫　殿

境川の斜面緑地を守る会
代表　　香村紘一

鵜野森の斜面林・原っぱの保全について（要望）

貴職におかれましては日頃から境川斜面緑地に深いご配慮を頂き感謝申し上げます。

とりわけ４年前、鵜野森斜面林の買上げをご英断下さった時の感激は、未だに忘れることができません。以来本会では林内のゴミ拾いやササ刈り・蔓切り、倒木整理などを続け、微力ながらもこの地の自然環境を見守り育んできました。

また本年８月に始まった都市再生プロジェクトの一貫しての「自然環境の総点検」では、相模原市を代表するNPOとして本会をワーキンググループに加えて頂き、境川斜面林の保全を「優先的に取り組むべき事項」として確認して頂きました。今後、首都圏各ゾーンからの意見をまとめ上げ、国が中心となって従来の法体系では保全が難しい緑地を守るために、様々な制度改正が検討されていくと聞きます。

一方、本年１１月に公表された町田・相模原業務核都市基本構想（素案）では、境川の「親水性を高め、両市民のふれあいの場としての整備を図る」とされていますが、本会会員からの意見書により、その具体的な場所として森野・鵜野森の地名が書き加えられました。同時に、業務核都市における環境インフラの整備に対する優遇支援制度の創設も、関係自治体からの要望を受け国において検討され始めているとのことです。

このように、境川斜面緑地や川沿いの原っぱなど河川と一体となった自然環境の保全が、国や都県を含めた施策の中で一歩一歩前進し、ようやく保全への道筋が仄見えてきました。

ところが、その矢先本年１２月に入って鵜野森マンション開発計画が再浮上しました。開発予定地は地区公園に隣接した秩父小野田不動産・川鉄商事が所有する2.3haの土地で、日神不動産が用地を買取り、９階建て１０７戸のマンションと７１戸の戸建て住宅を建設するというものです。開発が現実のものとなれば、地区公園には朝日も射さず、マンションのビル風で樹木は痛めつけられ、川沿いに広がる緑溢れる景観も、せっかく１０億円かけて保全して頂いた地区公園も台無しとなってしまいます。

本会は現地権者である秩父小野田不動産・川鉄商事と開発者である日神不動産に、鵜野森緑地の貴重さを訴え、開発による破壊を思いとどまるよう全力で働き掛けています。

しかし事態は３月決算に向って突き進んでおり、一刻の猶予も許されません。ここで再び貴職に鵜野森の斜面林と原っぱの保全をご英断頂きたく、市財政の逼迫は承知の上で、あえて心底よりよろしくお願い申し上げるものです。  

連絡先　　事務局　　太田浄子

〒228-0803　　　　　　　　　　　　　　　
相模原市相模大野５−２５−３６
電話　０４２−７４３−８０８０