平成１６年６月３０日
神奈川県知事 松沢成文 殿
境川の斜面緑地を守る会
代表 香村紘
絶滅危惧Ⅰ類コウライイチイゴケの保護について（要望）
私どもは神奈川県の北東端を流れる境川で、河川およびそれを取り巻く自然環境の保全・復元のために活動している市民団体です。平成７年に発足し今年で９年目となりました。
さて去る６月１０日、神奈川県相模原市鵜野森１丁目の境川沿い緑地において、環境省から発行されている「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物」植物Ⅱにおいて絶滅危惧Ⅰ類に指定されているコウライイチイゴケの生育が確認されました。北斜面崖下の林縁から草地にかけてかなりの範囲に分布しており、本会で採取したサンプルを環境省希少動植物種保存推進員の平岡照代氏に同定して頂いたものです。
この場所は、平成１５年の「自然環境の総点検 相模川・湘南丘陵・相模原ゾーン」ワーキングクループで、「優先的に取り組むべき事項」として保全が明記された境川斜面林の中核をなす場所であり、また同時期に策定された「町田・相模原業務核都市基本構想」の中でも、川を挟んだ森野・鵜野森の緑地保全が明記されています。
しかしこの場所では、昨年１２月以来宅地開発計画が浮上し、本会としては相模原・町田両市長に対し緑地保全の要望書を提出しインターネット署名を行なう一方、開発予定地の保全のために一口1万円のトラスト募金を開始し、１０００万円を目標に募金活動を進めている最中です。
本会としましては相模原市に対して保全の働きかけを一層強める所存ですが、神奈川県におかれましても、開発の危機に晒されているコウライイチイゴケの保護のためにお力をお貸し頂きたく、よろしくご指導・ご支援の程お願い申し上げます。
財団法人平岡環境科学研究所発行のコウライイチイゴケの同定証明書、コウライイチイゴケの写真、関連新聞記事を添付いたします。
連絡先 事務局 太田浄子
